欧州が傾斜する 「脱米・親中」
EUの悲観論につけ込む習近平
2026年3月号
欧州で危うい「中国オプション」が浮上している。トランプ政権の米国に対抗せざるを得ない状況では、向こう傷を承知で中国に接近すべし、という主張だ。史上最大規模の貿易赤字、次々と明らかになる影響力工作、ウクライナ戦争のロシア支援―マイナス要素が山積する中国であっても傾斜論が浮上する背景には、米国に代わる依存先を求めずにはいられない悲観主義の蔓延がある。
引き金となったのは、「カーニー・ドクトリン」の衝撃だ。カナダ首相のマーク・カーニー氏のダボス会議での演説は、「ルールに基づく国際秩序の終焉」を宣言した。名指ししないまでも関税を手段とする米国を厳しく非難した。トランプ政権に遠慮し続けてきたばかりに、グリーンランド割譲の危機に瀕した西欧はこの演説に溜飲を下げた。
力による領土の侵害は、主権国家のレッドラインだ。米国の制裁関税の脅しは欧州全体への敵対行為ととらえ、反米感情が一気に高まった。平常時はポピュリズム政党にあおられた欧州連合(EU)への懐疑論が幅を利かせているが、危機に瀕しては秘められた「欧州人意識」が発現する。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、欧州の「擁・・・
引き金となったのは、「カーニー・ドクトリン」の衝撃だ。カナダ首相のマーク・カーニー氏のダボス会議での演説は、「ルールに基づく国際秩序の終焉」を宣言した。名指ししないまでも関税を手段とする米国を厳しく非難した。トランプ政権に遠慮し続けてきたばかりに、グリーンランド割譲の危機に瀕した西欧はこの演説に溜飲を下げた。
力による領土の侵害は、主権国家のレッドラインだ。米国の制裁関税の脅しは欧州全体への敵対行為ととらえ、反米感情が一気に高まった。平常時はポピュリズム政党にあおられた欧州連合(EU)への懐疑論が幅を利かせているが、危機に瀕しては秘められた「欧州人意識」が発現する。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、欧州の「擁・・・









