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仏政界を揺るがす「新メディア王」

極右支援の大富豪「ボロレ」の猛威

2026年3月号

 主要メディアを次々と手にし、論調を右寄りにつくり変え、右翼右派政治家と密接な関係を結ぶ。その振る舞いは、英語圏のメディア王といわれたルパート・マードックを彷彿させる。いや、自ら政権樹立を画策するに至ると、もはやマードックの域を超えたのかもしれない。
 4月で74歳を迎えるフランス複合企業ボロレ・グループの総帥ヴァンサン・ボロレは、この約10年でテレビから新聞、出版に及ぶメディア王国を築き上げた。その影響力を背景に、右翼参画の政権を実現させようと暗躍する。
 ボロレ家はフランス西部ブルターニュ地方で製紙業を営む家系で、事業を引き継いだヴァンサンは企業買収を重ねてグループの規模を拡大。シラク政権与党の右派「共和国連合」(RPR、現「共和派」)の資金源「リヴォー銀行」を約10年かけて買収し、カメルーンにある傘下のドゥアラ港の施設管理権や同国の鉄道経営など、アフリカの利権を掌握した。
 政商としての彼を印象づけたのは、2007年に大統領に就任した右派政治家ニコラ・サルコジとの癒着ぶりだ。マーケティング理論を政界に持ち込んだサルコジの周囲には多くの財界人がむらがっ・・・

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