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社会・文化

「ボルドーワイン」は生き残れるか

銘酒が売れない「多重危機」

2026年10月号

 英国のワイン商「ベリー・ブラザーズ&ラッド」は2008年に、半世紀後を予測するレポート「ワインの未来」を発表した。気候変動、イングリッシュワインの発展、偽造ワインの広がりなどを予言した。おおむね妥当な内容だったが、大きく外れていた予想もある。シャトー・ラフィット・ロートシルトの価格が50年後には千倍以上に値上がりしているだろうと推測していた。これは大きくはずれている。
 ボルドーワインは危機に瀕している。ワイン離れが止まらず、プリムール(未完成ワインの先物取引)は不調が続いている。栽培面積は減少し、ブドウ樹は伐採され、栽培農家がブドウ畑から離れようとしている。流動性が高いため世界的には売れているが、日本の愛好家のボルドー離れは著しい。高級フレンチ・レストランで売れるのはブルゴーニュばかりだ。
 ボルドーが間違っていたのは赤ワイン神話が続くと安心していたことだ。ラグビーの元フランス代表でラングドックを代表する生産者ジェラール・ベルトランは専門誌の取材で語った。「危機は始まったばかりだ。ボルドーが苦境に陥っているのは過去20年の間に、赤ワイン中心の産地へと変化したから・・・

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