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連載

西風 344

関西三空港問題はいずこへ
八木 亜夫

2010年1月号

 このところの関西は、いわゆる三空港問題で、ふり回されつづけた。関係者がたがいに勝手な主張をてんでに繰り返し、一般人にはなにがなにやらさっぱりわからない。ここでもやはり、終始過激な発言で議論をリードしたり、混迷させた主役は、橋下徹大阪府知事だった。

 そもそもの始まりは、前原誠司国交相の「羽田ハブ化」発言。それなら成田はどうなる、の議論と同時に、いったい関西空港をどうすると、関西がいきり立つ。ここで橋下知事が、関西に関空・大阪(伊丹)・神戸の三空港は多すぎる、将来は大阪空港を廃港にすべきだと持論を展開したものだから、井戸敏三兵庫県知事と大ゲンカ。いったんは一六〇億円を計上した関西空港への来年度の国からの補給金が、事業仕分けにひっかかり、結局七五億円に減額となる。しかも、来年夏までには三空港問題を根本的に解決する条件がついた。
 はりきった橋下知事は、いずれリニア中央新幹線が開通したら大阪空港は相手にされなくなる、それよりも大阪中心部から関空・・・