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解放軍を「国軍化」する動き 胡国家主席の軍権奪取が目的か

2010年2月号公開

 


 中国人民解放軍は現在もなお、国家に属する軍隊でなく、共産党直属だ。梁光烈国務委員兼国防相はこのほど、党中央政治局などに対し公開書簡を送り、解放軍を国軍に改編するよう求めた。軍出身の幹部が軍の位置付けについて発言したのは初めて。梁国防相は、胡錦濤国家主席に近く、実現可能性は高いとみられる。

 解放軍は建軍以来、共産党中央軍事委員会が指揮する状態に置かれている。このため、形式的には過去二代、江沢民、胡錦濤両氏のように非軍人の党幹部がトップの軍事委主席に座っていたが、実際は軍人上がりの幹部が軍を牛耳ってきた。党内には「近代国家の軍隊にはふさわしくない」との意見が以前からあった。

 梁光烈国防相は公開書簡の中で、「世界各国の軍隊は(政府の)国防省が指揮し、組織を運営してきているが、中国の軍隊だけがそういうシステムになっていない。このような軍隊では(対外的な)戦争はできない」と述べている。

 現在、実際に軍を動かしているのは郭伯雄、徐才厚の両軍事委副主席で、江沢民前国家主席時代に引き立てられた軍人だ。江氏が今でも党中央内で隠然たる力を持っているのは、両氏が存在するからともいわれる。このため、今回の梁国防相の動きは、胡錦濤現主席の実質的な軍権奪取を狙いとしているとの観測もある。


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