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ベストセラー続出の「本屋大賞」は『天地明察』が最有力か

2010年4月号公開

 


 全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ「本屋大賞」が四月二十日に発表される。関係者によると、今年は冲方丁の『天地明察』が最有力だ。受賞すれば吉川英治文学新人賞とダブル受賞となるため、「低迷する出版界の起爆剤に」(文芸編集者)と出版業界の期待は大きい。

 本屋大賞の影響力は絶大だ。二○○四年の小川洋子『博士の愛した数式』が五十万部、○七年の佐藤多佳子『一瞬の風になれ』が百万部、○九年の湊かなえ『告白』が六十万部と軒並みベストセラーとなる。文学賞といえば芥川・直木賞が有名だが、凋落ぶりは著しい。全国紙文芸記者は「村上龍『限りなく透明に近いブルー』が百万部を売ったようなパワーはもはやありません」と断言する。またベテラン編集者は「芥川・直木賞の権威など読者は信じていない。仲間ボメや選考委員の義理がらみの凡作が続いて、自ら権威を落としてしまった。そこへいくと本屋大賞は良質の作品ぞろい。読者の信頼は厚い」と指摘する。

 実際、暦をテーマにするなどユニークな内容で評判上々の『天地明察』。「四月には村上春樹の『1Q84』の第三部も刊行される。相乗効果でほかの本も売れてほしい」(書店員)と期待がふくらむ。


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