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足立厚労政務官が医療政策の司令塔を放棄した理由

2010年4月号公開

 


 医療政策の司令塔であるはずの足立信也厚労大臣政務官に元気がない。政権交代後、中央社会保険医療協議会から日本医師会委員を一掃し、年末の予算編成で十年ぶりの診療報酬増を勝ち取ったにもかかわらず、その勢いが急減速している。なぜか。それは役人や族議員、記者クラブ、業界団体の包囲網に屈したからだ。

 新型インフルのワクチン接種回数に関する議論で役人の方針と、その意を汲んだ記者クラブの報道をひっくり返したまでは良かったが、面子を潰された役人と記者クラブが今度は足立政務官を連日「暴君」と報道するようになった。救急・産科医療を重点手当てした際には、党内のライバルである櫻井充参議院議員が日医と結託し、「足立叩き」に邁進した。ほどなく開業医の敵と見なされるようになり、今や、彼を擁護するのは「病院族」と揶揄される数名の医師だけになった。

 民主党の唱える政治主導を無邪気に信じ、それを実践してきた足立政務官だが、援軍は来なかった。長妻昭厚労相もかばう気配を見せない。今夏に改選を控える足立政務官がこれ以上の「抗戦」は不可能と判断しても不思議はない。これが政治主導のなれの果てである。


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