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民主党は日本を亡ぼす

「普天間」の重大さがわかっていない

2010年5月号特別リポート

 鳩山由紀夫首相は、いよいよ最後の土壇場に自らを追い込んでしまった。米軍普天間飛行場移設問題決着の期限「五月」を言い逃れたら日本が世界の笑いものになるだろう。鳩山退陣の口実がどうなるにせよ、普天間が移設できないとわかったとき東京と那覇の関係は最悪の局面を迎えるのか、あるいは東京と那覇が組んでワシントンと対決するのか。四月二十五日には沖縄県で国外・県外移設を求める大規模な県民大会が開かれた。
 十四年前に普天間飛行場を移設してほしいとの話が当時の橋本龍太郎首相から持ち出され、クリントン米大統領が了解し、二〇〇六年には基本方針の再確認が行われたにもかかわらず、鳩山民主党はこれを白紙に戻してしまった。すべての人々にいい顔をしたいとの子供っぽい発想が発端である。不可能を可能にすると公言した鳩山首相は自縄自縛に陥った。
 政治的未熟さもさることながら、日本人にとって宿命的な視野狭窄症と言うべきか、日米同盟は見えないところで信頼性が破壊され、米紙には「ルーピー(loopy)」(バカの)という言葉まで登場している。アジア・太平洋地域における米軍再編成の計画は一頓挫してしまった。岡・・・