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リコール問題に揺れるトヨタ SUV全車種生産停止の可能性も

2010年5月号公開

 


 米有力消費者情報誌による「横転の危険性」という評価に端を発した、トヨタ自動車の再びのリコール問題は、今後もしばらく波紋を広げそうだ。

 トヨタは、リコール対象のSUV(多目的スポーツ車)の生産を一時見合わせた。しかし、生産を担当する田原工場ではリコール対象車以外の複数のSUV車種を同じ車台、同じラインで生産しており、ライン自体は休止せず通常通り生産を続けている。SUVについては、部品の共通化は車台に限らず、ミラーや電子制御系の部品などでも進んでいる。リコールに踏みきる前の四月中旬、トヨタの幹部が部品会社首脳にこう打ち明けた。「SUV自体の生産をいったん停止すべきなのかもしれない」。同じ生産ラインで海外輸出が多いとあって、トヨタはSUV自体の一時生産停止も検討、他の車種に広がる可能性があるようだ。

 一方、生産一時停止を受け、部品会社の反応はさまざま。「トヨタは、良品の先に廉価があると言うが、最近は良品と廉価を分けて考えるようになった」「新興国対応で頭がいっぱい」と、安い車づくりに走るトヨタの姿勢を批判する声も。仮に、SUV全車種生産停止などの事態に発展した場合は「今でもギリギリの発注をかけている下請け工場に、さらに涙をのんでもらわなければならない」と部品会社では焦りの表情も見え隠れする。トヨタはSUV全車種を生産停止した場合のリスクは明らかにしていない。


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