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存在意義失う「国際刑事裁判所」

「非加盟」米露中の思惑通り

2010年7月号

 国際法上の重大な犯罪者を処罰し防止する目的で設立された国際刑事裁判所(ICC、本部ハーグ)は、「侵略の罪」をICCに管轄権のある犯罪に含めることを決めた。ウガンダ・カンパラで開催されたICC規程検討会議で六月十一日、合意に達した。今後、実際に「侵略の罪」としての訴追が問われる事態が浮上するかどうかは不確定であるが、「侵略の罪」の浮上を懸念する米国の姿も浮き彫りになっている。

自国軍人の訴追を恐れる米国


 ICCの設立条約文書であるローマ規程は一九九八年に制定、二〇〇二年に発効した。締約国は日本を含む百十一カ国。ICCの訴追対象は「国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪」に限定し、ローマ規程第五条に明記されている。その犯罪リストとは、▽集団殺害犯罪(大量虐殺=ジェノサイド)▽人道に対する罪▽戦争犯罪▽侵略の罪︱の四項目である。
 侵略犯罪はすでにICCの訴追する犯罪類型として組み込まれていたのだが、実際の訴追手続きについては検討課題として残されていた。ローマ規程第五条には「裁判所が侵・・・