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政治

まんまと「生き延びた」小沢一郎

早期の「菅降ろし」を仕掛ける

2010年10月号

 菅直人が国連総会出席のためニューヨークへ旅立った九月二十二日夜。赤坂の老舗料亭に民主党反主流の新・トロイカ三人衆が顔をそろえた。新・トロイカは、代表選をめぐる調停失敗で、顔に泥を塗られた前首相、鳩山由紀夫、首相からの代表代行就任要請を蹴った参院議員会長、輿石東、そして元代表、小沢一郎だ。
 小沢はこの夜、ことのほか機嫌が良かった。冷酒をぐいぐいあおり、鳩山と輿石の「ポスト菅」話に耳を傾け、大きくうなずいた。早晩、菅政権は行き詰まり、小沢の出番がやってくるというわけだ。小沢にとって「最悪の日々」にピリオドを打つ宴となった。

「強制起訴は九割方なくなった」


 民主党代表選投開票日の九月十四日からの一週間は、小沢にとって生涯最悪の一週間となった。大差で敗れた屈辱もさることながら、閣僚・党人事で官房長官・仙谷由人の策略にやられ放題だったからだ。
 大臣人事で小沢グループは、徹底的に干された。それだけなら主流派への怒りが、にがりとなってグループの結束を維持できる。だが、副大臣、政務官・・・