オバマは「死中に活路」を見いだすか
人事刷新で「巻き返し」図る
2010年11月号
「オバマ大統領が政治スタイルと政策課題の再検討に入った」
ホワイトハウスのスタッフの一人がそう語る。
中間選挙戦を通じて、オバマ大統領は自身がおかれている苦しい立場を再認識している。「一期の大統領で終わってもいい」(年頭の一般教書演説)と述べたものの、このまま手をこまねいているわけではない。ホワイトハウスは、二〇一二年の大統領選での再選に向け、抜本的な戦略見直しに取り組み始めている。
共和党の「機先」を制す
そのことを表すように、ホワイトハウスではスタッフの入れ替えが進んでいる。議会との「リエゾン(仲介)」を務め、医療保険制度改革などを実現したラーム・エマニュエル首席補佐官は辞任し、後任にピート・ラウス氏が就いている。前首席補佐官は強引な手法で議会との対立を激化させたが、ラウス首席補佐官は上院と密接な関係を持ち、現実的な対応を取ることで知られている。
ほかにもオバマ大統領の「インナー・サークル」のメンバーである閣僚が相次いで辞任している。ピーター・オルザグ行・・・