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米共和党に「限界」

中間選挙「大勝」後の重い現実

2010年12月号

 米国の中間選挙で下院を奪還した共和党が、早くも混迷に陥っている。旋風を起こしたティー・パーティー(茶会)系の政治家が党内で勢いを伸ばしているためだ。共和党指導部は、有効な経済政策がなく、ホワイトハウスの奪還戦略もないまま、新議会と大統領選に臨むことになる。
 

不人気の茶会


 衝撃の選挙から二週間、茶会とオバマ大統領が共同歩調をとる、まれな瞬間があった。共和党のミッチ・マコンネル上院院内総務が茶会の圧力を受け、米議会の悪習である特定財源確保をやめる、と発表したのだ。オバマ大統領は、「すばらしい決定だ」と即座に歓迎し、「もっと頑張ってほしい」と茶会の奮闘にエールまで送った。
 議員が連邦予算から選挙区に利益誘導するのは、開拓時代からの特権。家畜の耳につける「耳標」(イヤマーク)という言葉にその古さが表れる。総数は年間一千件で、分捕る金額の多寡が議員の実力の指標だった。
 財政赤字削減を目指す茶会新人議員にとって、自らの特権放棄はまさに「まず隗より始めよ」。茶会系の六人の上院議員当選者・・・