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社会・文化

着地点見えない「山口組頂上作戦」

警察は「宝刀」を抜いたが

2011年3月号

 警察庁が邁進する山口組壊滅のための「頂上作戦」とも呼ぶべき取り締まりは順調に進んでいる。しかし、長官肝煎りの作戦が完了した後に当然訪れる「混沌」に対処できる体制はない。現場レベルからもそのことを指摘する声が上がる中、「不良外国人の跋扈」という事態も危惧される。
 昨年十一月、京都府警は、山口組のナンバー2、高山清司若頭を恐喝容疑で逮捕した。その後数週間も経ずに、今度は大阪府警が、同組実質ナンバー3である入江禎総本部長を暴力団対策法(賞揚等の禁止命令)違反容疑で逮捕している。司忍(本名・篠田建市)組長は服役中であり、この瞬間、山口組を統制する三本柱が全て囚われの身となったのだ。
 警察庁が意識しているのは、四月に控えた司組長の出所である。この「Xデー」を前に、全力で組長の出身母体である弘道会を中心に厳しい取り締まりを実施しているのだ。警察庁の幹部は言う。
「司忍組長が出所する交換として、高山若頭の身柄は何としてでも取りたかった」
 そしてこれには、「頂上作戦」を推し進める安藤隆春警察庁長官の退官が今夏に迫っていることとも無縁ではないという。・・・