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社会・文化

岐路に立つ「名門ゴルフ場」

新公益法人制度移行の期限が迫る

2011年4月号

 二〇一三年十一月の新公益法人移行期限まで、三年を切っている。全国に二万四千あるという社団法人や財団法人は、期限までに新制度への移行手続きをしなければ、解散とみなされ残余資金は国などに没収されることになる。
 この問題に直面しているのが、「名門」の多い社団法人ゴルフ場だ。一九〇三年に日本初のゴルフ場として開場した神戸GCをはじめ、全国に二十九法人が存在する。ざっと挙げてみても、霞ヶ関CC、東京GC、茨木CC、日光CCなど錚々たる名が並ぶ。
 念のため申し添えると、廣野GCは社団法人でも株式会社でもない。今では珍しくなった「任意団体」のゴルフ場だ。
 公益法人とは、民法第三十四条に基づいて設立されるスポーツ、学術、慈善などの非営利事業を行う社団法人または財団法人の総称だ。?公益性に関する事業をする、?営利を目的としない、?主務官庁の許可を得るという三条件を満たすことで認可され、営利法人にはない数々の優遇措置が与えられてきた。よく知られるところでは、スポーツ関連の「協会」は公益法人であることが多い。しかし、一部公益法人における天下りや私物化が問題となり、・・・