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政治

《政界スキャン》

菅直人よ国を亡ぼす気か

2011年6月号

 


 三木武夫元首相は政界で批判する人が少なくなかったが、私が好きだったのはいつも発言が一貫していたからだ。生涯、『論語』の「無信不立」(信なくば立たず)を座右の銘にし、
「国民が政治を、政治家を信用しなくなったら国は滅びる」
 と言い続けた。
 国が苦境に陥った時はなおさらこの要請が強まる。信用できる、信頼できるリーダーに舵取りをしてほしい。当然のことだ。しかし、残念なことに、菅直人首相は「無信不立」の状態に近づいている。五月十六日付「毎日新聞」に載った全国世論調査の結果によると、菅内閣の支持率二七%、不支持率はちょうど倍の五四%だった。
 

 だが、もっと深刻な数字がある。同じ調査で「福島第一原発から出ている放射性物質に関する政府の発表を信用していますか、いませんか」と問うたところ、信用している二六%、信用していない六四%となった。これはただごとでない。国民の三分の二が信用しない、という由々しき事態になぜなったのか。
 疑いの目・・・