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連載

西風 363

関西の節電騒動、深刻な第二幕
八木亜夫

2011年8月号

 


 関西の節電騒動第二幕は、かなり深刻なことになってきた。関西電力の十一基の原発のうち、七月に入っても動いていたのは六基で、五基は定期点検中。ただし、うち大飯一号機は、北海道電力の泊三号機同様、点検大詰めの「調整運転」の名目で、実際には営業運転を続けていた。反原発派は、これを「隠れ運転」と批判。ところが、その問題の大飯一号機がトラブルを起こして、突然止まってしまった。加えて、電力融通をアテにしていた中国電力でも、三隅火力発電所まで、トラブルで停止。大飯四号、高浜四号も定期点検に入り、運転できるのは、たった四基という事態に立ちいたった。電力の半分を原発に依存する関電としては、二進も三進もいかない。
 あわてた政府は関電をふくめた電力五社管内に「一〇%以上の節電」を要請。だが、関電はすでに「一五%節電」を利用者に要請している。また、それより先に、自治体連合の関西広域連合も「五~一〇%節電」を企業や住民に呼びかけてきた。これで、三通りの異なる節電要請が乱立することとなり、利用者は「頭がクラクラしてきた」。東日本のように罰則の伴う強制措置で・・・