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政治

小沢一郎は「蘇生」したのか

想定される「三つのシナリオ」

2011年9月号

「野田佳彦選出」で決着がついた民主党代表選で、またしても一敗地に塗れた元代表の小沢一郎。党員資格停止処分中の身では、その影響力も限定的なものでしかなかった。求心力の低下はもはや隠しようもないが、このままでは終われない小沢はこれからの一年間で政治生命をかけた最後の戦いを挑もうとしている。小沢側近によれば、そこには三つのシナリオがある。時系列は逆になるが、小沢の第一のシナリオは来年九月、第二のシナリオは来年三月、第三のシナリオは今年十二月に照準を合わせた戦術である。

九月中に復権を果たす可能性も

 まず、第一のシナリオは来年九月の民主党代表選への出馬である。今回の海江田万里敗戦で、小沢の完全復活はなくなったものの、ある程度の態勢の立て直しには成功した。「ポスト菅」候補のうち、もともと小沢寄りだった海江田らが、小沢の協力を得るために会談を求めただけでなく、反小沢系だった前原誠司ですら、小沢グループに配慮して「党内融和」を打ち出し、「小沢詣で」の列に加わらざるをえなかった。  全盛期の小沢なら、前原の面会申し込みを蹴って、さらなる揺さぶりを掛けたはずだ。それさえ・・・