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さらなる「属国化」進む北朝鮮

中国が「服従」を強化

2011年10月号

中朝関係が変質している。もちろん、これまでの「中国の属国としての北朝鮮」という構図自体に変化はない。しかし、国際社会における中国の責任の増大とともに、従来の北の「ならず者」行動を野放図に許すこともできなくなっている。北朝鮮の命綱である「援助」の態度にも変化が見える。北朝鮮の「体制維持」が中国の国益であることに変わりはないものの、中国はこれまでより「ドライ」な関係のなかで、北朝鮮を完全に服従させようとさえしている。

虎の尾踏んだ「ロシア接近」

北朝鮮の最高指導者、金正日総書記の後継者に確定している三男・正恩氏(朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長)が語ったとする「発言」に対し、北朝鮮政策に携わる中国側関係者の注目が集まっている。その発言とは、今年三月、正恩氏が金総書記とともに現地指導に赴いた際に発したといわれる「マルスム(お言葉)」だ。 「銃弾よりもコメがより重要」 八月ごろ、中国政府関係者や、北朝鮮との合弁事業に関わる中国人ビジネスマンらの間にこのマルスムが伝わり、「北朝鮮の次期指導者は、軍事拡大路線から国民生活重視に国家指針を転換する可能性・・・