三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

《クローズ・アップ》米倉弘昌(日本経済団体連合会会長)

五月末に一期目の任期が満了

2012年1月号

 米倉弘昌氏(住友化学会長)が日本経済団体連合会会長に就任して二年がたとうとしている。五月末には任期満了となるが、「ポスト米倉」をめぐる噂話はさほど盛り上がっていない。

 御手洗冨士夫前会長(キヤノン会長)の後継をめぐっては、任期満了の半年以上前から中村邦夫・パナソニック会長、西田厚聰・東芝会長、佐々木幹夫・三菱商事会長(当時)ら様々な名前があがり、激しいつばぜり合いが展開された。そこからダークホースとして米倉氏が浮上、会長の座を射止めた。だが、今回は噂にのぼる候補も少なく、「会長人事が話題にされないほど、経団連は存在感が薄れたか」との声も財界人から聞かれる。

 米倉氏本人は続投に意欲を持っているとも言われるだけに、話も盛り上がりにくい面がある。だが、年齢はすでに御手洗前会長の退任時と同じ七十四歳。二〇一一年の秋にはある会合で壇上に上がろうとして、わずか五、六段の階段をのぼりきれず、尻餅をつくという肉体的衰えも示した。常識では続投は考えられない。

 それ以上に、経団連会長としてのパフォーマンスが低いとの意見が経済界では一・・・