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ドイツ「独り勝ち」の理由

国内企業を復活させた「大増税政策」

2012年3月号

新興国の驚異的な経済成長により、先進国の圧倒的な経済的優位が崩れて久しい。昨今では、「先進国の時代は終わった」との悲観論さえ囁かれる始末だ。そんな中でひとり経済に勢いのあるドイツは、先進国の中でも異色の存在だ。  欧州連合(EU)統計局によれば、ドイツの実質経済成長率は二〇一〇年に三・七%、一一年に三・〇%。二年連続で三%台を達成したのはG7諸国で唯一だ。世界金融危機の打撃から見事な復活を果たしたのみならず、二〇〇〇年代前半の不振が嘘であったかのような好況を謳歌している。〇九年以来、失業率も下がり続けており、昨年十二月にはついに五・五%と二十年ぶりの最低水準を記録した。この「先進国らしからぬ」ドイツの絶好調ぶりはなぜなのか。

EU市場という「ドル箱」

 ドイツの好調を牽引するのは、言うまでもなく輸出だ。とりわけ、折からのユーロ安によりEU域外への輸出が頗る好調だ。ドイツのEU域外に対する貿易黒字が〇九年の六百七十億六千九百万ユーロから一〇年の八百五十九億八千百万ユーロへと、実に二八%もの驚異的な伸びを示したことは特筆に値する。  しか・・・