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連載

本に遇う 連載151

ホラ話は世に絶えず
河谷史夫

2012年7月号

 メディア評価研究会(今西光男代表)がネット上に週三回発行している「メディアウオッチ100」の第百九十六号で、山岸章が「自民党政治より、いまの民主党政治のほうが悪いかも知れない」と述べていた。

 政権の質の悪さを今さら云々するのも詮無いが、退いたとはいえ、民主党を支持する最大組織の初代会長が「今の政治に愛想が尽きた」と見放し、「昔なら、テロかクーデター、暴動が起きてもおかしくない」とまで危機感を露わにするのはただごとでない。

 やらないはずだった消費増税がいつの間にか唯一の政策となり、鳴り物入りだった「子ども手当」はどこへやら、「コンクリートから人へ」と見えを切って「やめる」と宣言したダムも、担当閣員が代わるや「つくる」に変わり、「原発」も首相すげ替えで方針転換。あれよ、あれよのオセロゲームだ。政権政党の公約がことごとくホラだったのには、目を白黒するばかりである。一句浮かんだ。マニフェストとは日本語で言やホラ話。

 ホラ話は落語ダネには恰好だ。「宿屋の仇討」というのがある。

 宿に「万事世話九郎」と・・・