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政治

《政界スキャン》

菅の原発事故対応を見直す

2012年10月号

 リーダーシップとひと口に言うが、吟味は容易でない。即断即決的なものもあれば、潜行して発揮され同時進行では見えにくいケースもある。

 最近、鋭く批判されたのは、福島第一原発事故の対応だった。すでに政府、国会など四つの事故調査委員会が報告書を提出しており、いずれも陣頭指揮をとった菅直人首相の初動が現場を混乱させたと指摘した。菅のリーダーシップ欠如が批判されたのだ。
 ところが、菅を補佐した当時の枝野幸男官房長官は、昨年末の講演で、
「私は実は本当に三月十一日の総理大臣が菅さんであってよかったと思っている。本当に政府全体がめちゃくちゃな状況の時は、あれぐらいわがままで強引でという人間でなかったら、たぶん政府の機能が止まっていたのではないか」
 と逆に評価した。その後、細野豪志原発事故担当相、大塚耕平厚生労働副大臣ら当時首相官邸の実動部隊をつとめた人たちも、同じように、
「あの時、菅さんでよかった」
 と述べている。



 私が七月末の新聞コラムで、
〈四つの報告書と・・・