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WORLD

ロシアを「見限った」ドイツ

「健康不安」プーチンの手痛い外患

2013年1月号

 ドイツのメルケル政権が、ロシアのプーチン政権と距離を置き始めた。米露関係が一向に改善しない中、独露の良好な関係は、プーチン外交の重要な柱だったが、ドイツはエネルギーからロシアの国内政治まで、広範な分野で従来の対露政策を見直している。プーチン大統領は、対米欧関係の橋頭堡を失う危機に立たされている。

天然ガス依存からの脱却

 十二月七日、クリミア半島に近いロシアの黒海沿岸都市アナパで、南欧・バルカン諸国とロシアを結ぶ天然ガス・パイプライン「サウス・ストリーム」の起工式が行われた。プーチン大統領は各国首脳を招待したが、エネルギー担当のドイツ人、ギュンター・エッティンガー欧州委員が出席を断り、関係各国は担当大臣のみを送った。重病説も流れる大統領は、格下のゲストたちを相手に何の見せ場も作れなかった。 「事業主体のガスプロムは、いまだに欧州連合(EU)に詳細な計画を送っていない。ルートが決まらなければ、少なくとも向こう一年以上は工事に着手できない。これでは『見切り発車』にもならない」と、在ブリュッセル経済記者が言う。  プーチン大統領が未認可事・・・