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政治

「ネット選挙」に踊る永田町

カネだけかかって効果は疑問

2013年5月号

 永田町はインターネット・バブルが遅れてやってきたかのようだ。四月十九日、ネットを使った選挙運動を解禁する改正公職選挙法が参議院で可決・成立した。 「外国に比べれば遅い解禁だが、どれだけの効果があるかは疑問。永田町は浮足立っているだけ」  自身もネット選挙解禁の恩恵にあずかる立場にあるIT業界関係者は、騒動を冷ややかに眺めている。ネット選挙にはメリットとデメリットが存在し、今回はデメリットとその対策についてはなおざりのまま見切り発車された。

広告費で潤うIT企業

「誹謗中傷や落選運動の対策をどうするか想像もつかない」  七月に改選を控える自民党ベテラン参議院議員の秘書は不安を漏らす。この秘書はIT関連企業が永田町周辺で開くセミナーに参加するつもりだという。現在、永田町では有象無象のIT企業による顧客獲得合戦が花盛りだ。 「ネット選挙解禁でできる!できない?を学ぶ勉強会」「危機管理が重要!サーバー攻撃対策や炎上対策とは?」  議員事務所にはこういったチラシが飛び交う。ほとんどはファクスやメールで送られるが、直接持ち込まれることも日・・・