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政治

《政界スキャン》

公明党の静かなる変身

2013年9月号

 歴史とは、どの単位で振り返るべきものなのか。特に、永田町の滑った転んだ日々の底流にどんな潮目の変化を見通すべきか。

 その観点からすると、この半年、二回の国政選挙はいくつかの重大な変化をもたらした。六年続いたねじれが解消した。二十年続いた小沢一郎政局が終わった。それに次ぐものとして、来年結成五十周年を迎える公明党の静かなる変身を挙げたい。



『新潮45』八月号に矢野絢也が寄稿した「池田大作の『かくも長き不在』」は興味深い論考だった。以下、部分引用する。

「この三年間、池田大作氏は公の席に姿を現していない。それでも公明党は与党であり、選挙には勝ってきている。結果として『ポスト池田』の予行演習をすでに行なっていて非常にうまく運んでいると言えばあまりに穿ったものの見方であろうか。

 池田氏はもちろんご存命であろうが、私はもちろん、誰にもうかがい知ることはできない。その存在感の希薄さはしかし、これからの学会と公明党の磐石を逆に雄弁に物語ってはいないだろうか?」

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