三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

社会・文化

原子力規制委に「不正入札」疑惑

活断層調査を食い物にする「東大地震閥」

2013年11月号

 九月六日、原子力施設の耐震安全を司る原子力規制委員会のウェブサイトにこんな告知文が載った。 〈本事業の受託者選定に当たって競争の余地がないことが確認されました。このため、本事業は以下の採択事業者との随意契約により実施することといたしました〉  本事業とは、下北半島の地下構造を解明する物理探査のこと。下北半島の太平洋沖には、南北八十四キロにわたる長大な「大陸棚外縁断層」があり、それが活断層か否か、国が自ら現地調査に乗り出したのである。その結果次第で、下北半島に立地する東北電力・東通原子力発電所や日本原燃・六ヶ所再処理工場は存廃を左右されるとあって、日本のエネルギー政策を揺るがしかねない重要な調査といえる。  現地調査の必要性を強く唱えたのは、規制委有識者を務める東京大学地震研究所の佐藤比呂志教授だった。それを、規制委の島﨑邦彦委員長代理(元東大地震研教授)が支持した。今や島﨑氏は反電力会社の急先鋒であり、今回の物理探査が「東大地震閥」による下北半島「非核化」の布石であることは周知の事実だ。そのために、五・三億円の国費が投じられる。 “出来レース”の随意契約・・・