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プーチン「後継レース」最新予測

ウクライナ停戦と絡む「政変模様」

2025年7月号

 ウクライナ保安庁(SBU)が6月1日、ロシアの空軍基地4カ所をドローンで攻撃し、戦略爆撃機10機以上を撃破した「蜘蛛の巣」作戦は、クレムリンに衝撃を与え、権力構造に微妙な変化が出てきた。ウクライナ戦争が長期化する中、プーチン後をにらんだ実力者の暗闘も始まりつつある。
 ロシアのSNS、テレグラムで発信する独立系の情報チャンネル「インサイダーT」によると、プーチン大統領は空軍基地攻撃を座視したロシア防諜組織、連邦保安庁(FSB)を厳しく叱責。ロシア国内への浸透を察知できなかったとして「無能」呼ばわりし、厳重な内部調査を命じた。
 長年FSB長官を務めた強硬派のニコライ・パトルシェフ大統領補佐官も、ロシア情報機関によるウクライナでの破壊工作が全く成果を挙げていないことを問題視し、責任者の更迭を要求した。
 FSBのボルトニコフ長官は「蜘蛛の巣」作戦後、公の場に登場しておらず、オンラインの安全保障会議も欠席している。ウクライナ情報機関はロシア領内で、軍高官の暗殺、電力施設や軍事基地への破壊活動を繰り返しており、長官ら一部幹部の責任が問われているという。FSB内・・・

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