日経「フェンタニル報道」は絵空事
事実なき「密輸疑惑」の罪深さ
2025年8月号
日本経済新聞が6月末に報じたオピオイド系合成鎮痛剤フェンタニルの密輸疑惑についての記事は、主に国内のネット上で大きな話題になった。
アメリカでは密輸されたフェンタニル乱用で年間7万人以上の死者が出て、近年社会問題になっている。日経新聞の記事では、そのフェンタニルが、中国から名古屋経由で北米に密輸されている可能性があると指摘。日経は3日間にわたって記事を掲載する力の入れようで、記事はこの問題に疎い一部の評論家らから「スクープ」などと持ち上げられた。
ただ警察庁幹部の見方は辛辣だ。「日本の警察はFBI(米連邦捜査局)と関係がよく、麻薬捜査でも情報共有は行っている。確たる証拠もなくフェンタニル密輸ルートの拠点が名古屋にあるかのような記事が出て関係各所が困惑している」
愛知県は、フェンタニルの材料になり得る化学物質を正当に取り扱っている県下の26の業者を把握していて、今回改めて調査を行い、何ら問題は見つかっていない。
そもそも日経の記事にも、名古屋が密輸ルートまたは密輸の拠点だった明確な根拠は示されていない。新聞が裏を取りきれない「疑惑」を報じ・・・
アメリカでは密輸されたフェンタニル乱用で年間7万人以上の死者が出て、近年社会問題になっている。日経新聞の記事では、そのフェンタニルが、中国から名古屋経由で北米に密輸されている可能性があると指摘。日経は3日間にわたって記事を掲載する力の入れようで、記事はこの問題に疎い一部の評論家らから「スクープ」などと持ち上げられた。
ただ警察庁幹部の見方は辛辣だ。「日本の警察はFBI(米連邦捜査局)と関係がよく、麻薬捜査でも情報共有は行っている。確たる証拠もなくフェンタニル密輸ルートの拠点が名古屋にあるかのような記事が出て関係各所が困惑している」
愛知県は、フェンタニルの材料になり得る化学物質を正当に取り扱っている県下の26の業者を把握していて、今回改めて調査を行い、何ら問題は見つかっていない。
そもそも日経の記事にも、名古屋が密輸ルートまたは密輸の拠点だった明確な根拠は示されていない。新聞が裏を取りきれない「疑惑」を報じ・・・