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「税逃れ天国」アメリカの深刻

超大国を弱らせる「無責任資本主義」

2013年12月号

 米国で、法人税を課されない特殊な資本形態の企業が増殖している。税逃れの巧みさから「パススルー(通過)企業」と通称され、今では大企業の六割を占めている。従来型の大企業も、節税技術に磨きをかけており、連邦政府は国内総生産(GDP)の一%しか、法人税を集められない。米国は一部の企業や個人が栄えて、国がやせ細るという無責任経済に陥っている。  米国で進むシェール革命の最前線ノースダコタ州やテキサス州で、スーパーメジャーを見るのはまれだ。エクソンモービルやシェブロンといった巨大石油企業に代わって、ここでは「チェサピーク・ペトロリアム」「ヘス」「EOGリソーシズ」といった、日本ではほとんどなじみのない企業が最先端に立っている。 「世紀の変わり目に、シリコンバレーから意味不明な名前のベンチャー企業が相次いで出てきたようなもの。小回りの利く企業がシェール開発向きとされます」と、在米経済記者が解説する。多くは法人税を払わないパススルー企業である。  無名企業の殺到は、メキシコ湾岸のオイルラッシュ時代を連想させるが、現代の「山師」たちは、個人業者の想像を超える資本力で、地下数千メー・・・