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連載

続 ・不養生のすすめ 38

低栄養の予防(2)

2014年2月号


 先月号で、「低栄養予防のための食生活指針十四カ条」を紹介した。この指針は食品摂取をできるだけ多様に、つまり、摂取する食品の種類をできるだけ多くすべしという理念にもとづいている。これは、いわゆる栄養面、食品の第二次機能である美味しさの双方を重視している。和風、中華、洋風とさまざまな調理法を取り入れることも二次機能に関連している。また、食品のもつリスクを分散させることも狙いの一つである。食品の添加物や農薬は違反しないかぎり安全の基準内で使用されている。しかし、一つの食品に片寄ると、安全の範囲を越えることもある。

 また、人工的でない天然の状態でも食品がリスクをもっていることもある。大きな魚やクジラには水銀が多くふくまれている。妊婦などはマグロの摂取量が一定量を超えないように勧告されている。海藻なども、種類によって内容は異なるが、有害物質を海水から摂取している場合もある。

 栄養面をみても、いかに有用な栄養素でも一定量を超えれば害となる。ドングリのみで肥育しオリーブ油に多い一価の不飽和脂肪酸が多いことでイベリコ豚は人気を博している。し・・・