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社会・文化

ミズノ「統一球問題」の闇

「巨人」のボールが一番飛ぶ不可解

2014年5月号

 今シーズンもプロ野球の「統一球」が問題になった。昨年は、選手に知らせずに反発係数を引き上げていたことが発覚、日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナーが退任に追い込まれた。にもかかわらず、今回はNPBが定める反発係数をオーバーしていた。 「NPBは早く幕引きしたいようだが、かなり深刻な問題のはず」  全国紙運動部記者はこう語る。背後には、度重なる問題を起こしながらボールを納入し続けるミズノのNPBとの癒着や、プロ野球界の盟主である読売ジャイアンツへの疑惑が横たわっている。テレビや新聞といったメディアはこれを報じないばかりか、NPBの火消しに加担する。 ホームで活躍する巨人打者  問題が発覚したのは、開幕二日目。NPBは試合会場となった六球場で使用されていたボールの抜き打ち検査を行った。第三者機関での測定の結果、五球場のボールが基準値上限の〇・四二三四を超えた。このことを発表した直後にも検査を行ったが、またしても三球場でオーバーしていた。  NPBとミズノの対応は極めて不可解だった。当初、ミズノ側は「出荷時の検査では問題なかった」としてい・・・