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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》無駄で有害な健康診断

医療費を食い潰す「諸悪の根元」

2014年6月号

 健康診断を巡る議論が俄かに喧しくなっている。

 四月に日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が健診の検査基準の変更を発表したことで、週刊誌には血圧やコレステロール値についての記事が溢れ返った。中には「人間ドックは不要」といった極論まで飛び出しているが、ピントがぼけている。

 日本動脈硬化学会や、日本高血圧学会は、今回の改定に否定的で「国民の健康に悪影響を及ぼしかねない」などと脅しつけたが、一方で歓迎する医師も多い。

「定期健康診断には一定の役割があるだろうが、これまでの流れ作業のような集団健診には意味がなく、医療界を中心とした健診マフィアの利権に過ぎない」

 都内でクリニックを開業するベテラン内科医はこう断言する。

 現在の健診は「健康な人に無理やり不健康のレッテルを貼っている」(同)だけでなく、無駄な検査が健康を害してさえいる。今回の「見直し」程度では生ぬるく、より踏み込んだ改革が必要だ。


無駄に続けられる胸部X線検査
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