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政治

自衛官が「戦死」する日

守屋武昌(元防衛事務次官)

2014年8月号

―日本政府には「戦死」という概念はありますか。

 守屋 他の公務員と同じ「国家公務員災害補償法」による公務上死亡、いわゆる殉職しかない。自衛隊発足以来、一千八百人以上の自衛官が命を落としている。これは一般職の公務員にはない「職務遂行上の危険性」に由来している。にもかかわらず通勤途中に交通事故で亡くなった公務員と、国を守る職務中に命を落とした自衛官が同じ殉職で片づけられるのは、まともな国ではないと思う。安倍内閣の憲法解釈変更により集団的自衛権の行使が容認され、今後は自衛官の職業としての危険性はこれまで以上に高くなる。これをケアする制度を国として用意すべきだ。


―ただの殉職扱いにされることに自衛官は納得していますか。

 守屋 自衛官の口から「後顧の憂いのない体制を作ってくれ」「そうでなければ行かない」という言葉は出てこないが、そこに国として甘えてはいけないだろう。自衛隊から死亡保・・・