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政治

《政界スキャン》 354

菅義偉が「総理の椅子」を狙う時

2014年8月号

 好事魔多し。いいことはそれほど長続きしない。

 この一年半強運をほしいままにしてきた安倍晋三政権にして然りである。昨年暮れからの右旋回の限りを尽くした驕りの政治に潮目の変化がやってきた。滋賀県知事選を落とした。沖縄県知事選もこのままだと失いかねない。選挙の敗北は地方選といえど恐ろしい。政権の政治路線に疑念を呼び、風向きによって当落の決まる小選挙区議員たちを動揺させるからだ。

 それだけではない。安倍政治は、権力基盤の更新期に差し掛かっている。往々にしてこういう時期に権力の不安定要因が胚胎する。権力を支え、維持していくうえで最も重要なネジやボルトがはずれていることがままあるからだ。

 例えば、九月に予定された内閣改造・党人事。「3A+S」の骨格人事に変更なし、つまり、首相の安倍のみならず、副総理・財務相麻生太郎、経済再生担当相甘利明の頭文字3Aと1S(官房長官菅義偉)については留任が確定というが、果たしてそれは本当か。

 確かに、麻生は、安倍に再び健康上の問題が生じた時の緊急避難的代役として動かせな・・・