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オバマと米議会は「全面対決」へ

「大統領弾劾」をにらんで政争激化

2014年12月号

 オバマ政権の最後の二年間が大荒れの様相を強めている。オバマ大統領は、中間選挙の敗北後、解き放たれたかのように、移民、環境、外交で次々と大権を発動し、共和党とは正面から激突する構えだ。二〇一六年の大統領選を控え、双方とも「大統領弾劾」をにらみながら、最高裁判所も巻き込んだ、泥沼の政争が始まった。 三権すべてが機能不全  十一月二十日の午後八時(米東部時間)に大統領が行った演説は、米政界の今後を象徴していた。「プライムタイム」に大統領が演説するとなれば、地上波全国ネットが中継する慣例だが、今回はABC、CBS、NBCとフォックスが中継を拒否。代わって、スペイン語放送の「ユニビジョン」と「テレムンド」が生中継した。この夜のユニビジョンは高視聴率番組である「グラミー賞ラテン版」を放送中で、大統領演説が移民問題とあって、ヒスパニック系視聴者を大いに引きつけた。 「ホワイトハウスは地上波全国ネットに内々に『放送するか?』と打診したが、反応が良くなかったので中継を頼まなかった。本当に聞いてほしかったのは、ヒスパニック系ですから」と、民主党議会筋は言う。  内容・・・