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政治

《土着権力の研究》埼玉県 清友会

「公約破り」上田知事の選挙マシーン

2015年8月号

「どんなに清廉を売りにしても権力の座に長くいると倦んでくる」

 埼玉県の自民党関係者はこう語り、知事の上田清司を批判した。当の自民党の「不手際」(同関係者)で対抗馬選定が遅れたため、七月二十三日に告示された埼玉県知事選挙では、現職の上田の勝利が濃厚だ。二五%を切った前回の投票率を下回ることさえ予想される中で、上田四選の立役者になるのは後援会組織「清友会」だ。全国紙記者が語る。

「公約を破って強引に出馬した上田知事を支える清友会の繫がりは年々強固になっている。県議選では上田シンパで、清友会の支援が得られた候補が軒並み強い」

 ここで言う「公約破り」とは、上田自らが主導した「多選自粛条例」のことだ。二〇〇三年の知事選で初勝利した上田は、かねて批判してきた「首長の多選」を防止するために就任翌年の県議会に、「首長の任期は三期十二年」とする条例案を提出して成立させた。国の法律より下位にある条例のため、法的な拘束力はなく罰則もない。それでも自らが成立させた条例を破ることはないというのが周囲の一致した見方だった。

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