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経済

《企業研究》三井住友銀行

相次ぐ経営難題で三メガ「最下位」転落へ

2015年12月号

 セクハラ事件に多額の減損―「アジア」が三井住友銀行(SMBC)を悩ませている。

 韓国のソウル西部地検刑事三部がSMBCソウル支店企画チーム長だった元行員O(すでに懲戒解雇済み)を在宅起訴したのは今年十月のことだった。容疑は「強制わいせつ致傷」。同じ部署で働く現地採用の女性行員に対して卑猥な行為に及んだうえ、医者の治療を必要とするほどのひどい精神的キズを負わせたというものだ。

 事件が起こったのは四月のことらしい。Oとこの女性行員は、支店で催された宴席で帰りのタクシーに乗り合わせた。その際、Oは「君が好きだ。一回でいい」などと言って女性行員に抱きつき、太ももを撫でながらキスを迫ったとされている。女性行員は当時まだ新婚六カ月。このためあまりの精神的ショックに出勤もできなくなり、結局、一カ月近くの入院を余儀なくされ、治療に専念せざるを得なかったという。

 とはいえ、これだけなら事は公にならず、内輪でのちょっとしたセクハラ騒ぎぐらいで終わっていたのかもしれない。だが、事態はここからさらに展開していく。女性側が「会社に休職中の・・・