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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》聖教新聞社

創価学会を支える「全国集金マシーン」

2016年1月号

 夜明け前の住宅街、一見ごく普通の主婦が自分の自転車に薄手の新聞を詰め込み、各戸のポストへ投函していく。一般紙の配達員とは出立ちの違う彼女が配るのは、創価学会の機関紙「聖教新聞」だ。

 部数に応じて月数千円の手当を受け取っているが、とても労働の対価とは言えない。学会内部では聖教新聞の配達や集金業務に汗をかくこと自体が「功徳を積む」行為とされる。配達員は「無冠の友」と称えられ、今日も全国で同じ光景が繰り広げられている。聖教新聞はジャーナリズムとは対極の「名ばかり新聞」であり、その核心は布教に乗じて巨費を上納させる集金マシーンだ。

 聖教新聞の発行元は「聖教新聞社」。所在地は東京・信濃町の創価学会本部と同一で、池田大作名誉会長が名誉社主を務める。実際に聖教新聞を発行しているのは宗教法人たる創価学会の出版・機関紙部門だ。この「新聞社」に法人格はない。発行部数は公称五百五十万部。読売新聞、朝日新聞に次いで第三位の「隠れた大新聞」だ。

 一九五一年、創価学会の教えを広く伝える機関紙として当時の会長だった戸田城聖が創刊し、池田が会長・・・