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経済

JR東日本に「屈服する」大メディア

不祥事報道を封殺する「圧力企業」

2016年6月号

 「JRとメディアの関係は、かつての原発マネーと報道機関の歪んだ蜜月に似ている」
 ある鉄道ジャーナリストはこう指摘する。東日本旅客鉄道(JR東)の安全軽視の体質をメディアは申し訳程度にしか報じない。毎週のように発生する不祥事や事故について、新聞やテレビは事実関係を最低限度で伝え、その原因を深く掘り下げることはないのだ。国土交通省担当記者は「理由はメディアへの圧力だ」と語り、全国のJR各社の中でもJR東の姿勢を強く批判する。一日当たりの平均旅客数で一千六百万人を誇るJR東による「報道管理」は、深刻な原発事故を引き起こした原子力ムラに重なる。
広告費は「口止め料」
 五月十日、JR東の冨田哲郎社長の定例記者会見が開かれ、同社長はこう謝罪した。
「お客様に不安を与え、深くお詫び申し上げたい」
 同社では、四月二十一日に走行中の横浜線の乗務員室内で、車掌が漫画雑誌を読んでいたことが明るみに出た。そのわずか五日後には、中央線の運転席で運転士が文庫本を読み、問題となった。これ以外にも二月には、山手線内回・・・