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社会・文化

大乱戦のNHK 「ポスト籾井」争い

官邸と自民党を巻き込む「泥仕合」

2016年8月号

  安倍内閣の「操り人形」から「暴走老人」に変容して政権に見放されている籾井勝人NHK会長の後継人事がうごめきだした。就任直後から「政府が右ということを左というわけにはいかない」などと暴言の数々を放ち、公共放送トップとしての資質の欠落を露呈したぶっ飛び会長の任期は来年一月まで。安倍政権は糸の切れた操り人形に代わる手駒を探しあぐねる。その膠着状態を逆手に取り、NHKの卑劣漢が自民党逓信族をころがして、国民不在で私利私欲を追う百鬼夜行を繰り広げているのだ。
それを象徴する「ポスト籾井」の人事構想がいま、永田町に流布して、波紋が広がっている。
〈次期NHK会長候補は、板野裕爾・前専務理事(現NHKエンタープライズ社長)。副会長か専務理事に井上樹彦・NHKアイテック社長が就く〉
この情報の出所を探っていくと、複数の政治家が「それは井上氏本人が吹聴していると聞いた」と証言した。お手盛り人事の極みも、さもありなん。井上氏は「風見鶏」と陰で言われ、権力欲の亡者として永田町やNHKで知られているからだ。井上氏は昨年十二月、籾井氏が子会社の社長らに命じて三百五十億・・・