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経済

《クローズ・アップ》渡邉 光一郎(第一生命HD初代社長)

業績悪化でも異例の「長期居座り」

2016年9月号

 今年十月一日付で持ち株会社体制へと移行する第一生命保険。会社分割で国内生保事業を切り出して同名の新会社に移管し、本体を「第一生命ホールディングス」に衣替えして新始動する。初代社長に就任するのが現第一生命のトップでもある渡邉光一郎氏。新第一生命の社長も兼務する。現会長の斎藤勝利氏も兼任のまま横滑りだ。
 生保業界内部では一時、「持ち株会社移行を機に後進に道を譲るのでは」として、寺本秀雄・取締役専務執行役員マーケティング推進本部長や稲垣精二・取締役常務執行役員グループ経営戦略ユニット長兼経営企画部長らの名前も候補として取り沙汰されていた。渡邉氏が社長に就任したのは二〇一〇年四月。在任六年以上が経つうえ、前任の斎藤氏も六年目でポストを明け渡しているからだ。だが、おっとりモードと評される同社にあっては「希代の野心家」(周辺筋)。本人は〝楽隠居〟の腹積もりなど微塵もなかったらしい。
 その渡邉氏が就任来、繰り返し強調してきたキーワードが「業界再編」だ。実は今回、持ち株会社へ移行する最大の狙いもそこにある。今年五月下旬に行われた一六年三月期の決算説明会でも「将来の業界再編への・・・