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社会・文化

裏切りの翼「F35ステルス戦闘機」

日米同盟「不平等」の象徴

2016年9月号

 自衛隊に配備される最新のステルス戦闘機「F35」初号機のお披露目にあたるロールアウト式が九月二十三日(現地時間)、米テキサス州にあるロッキード・マーチン社フォートワース工場で開かれる。ロ社ばかりでなく、米国防総省や日本の防衛省の幹部らが出席、衛星中継もある華やかな式典になる予定だ。
 F35は航空自衛隊の老朽化したF4戦闘機の後継で、初号機は十月に日本に運ばれ、引き渡される。F4後継にもかかわらずF4の飛行隊がある百里基地(茨城県)でも新田原基地(宮崎県)でもなく、米軍と共同使用する三沢基地(青森県)に配備される。
 これにより、三沢配備されているF2戦闘機の飛行隊は築城基地(福岡県)に移転され、移転終了後にF4飛行隊が退役するという手間がかかる。三沢配備について、防衛省幹部は「米政府の意向を踏まえて決まったこと。秘匿性の高いF35は米軍の目が届くところに置くという半ば、強制でした」と振り返る。
 米政府の「言い分」が通るのは、F35が米政府から直接購入するFMS(Foreign Military Sales=対外有償軍事援助)方式で調達されるからだ。{・・・