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中国が独ハイテク企業を「爆買い中」

第四次産業革命「丸ごとパクる」戦略

2016年10月号

 中国がドイツのハイテク企業を買い漁っている。国内製造業の低迷を、先進技術の取り込みによって打開する試みで、ドイツ国内では「ドイツが進める第四次産業革命の中核技術が盗まれてしまう」との懸念が強まっている。
 中国の最新の標的になった「クーカ」社は、産業用ロボットの独最大手。日本のような人間型ロボット(ヒューマノイド)の製造ではないので、一般の知名度は低いが、今年三月、ハノーバーで開かれたハイテク見本市(CeBIT)では、同社製のロボットが、ゲストのバラク・オバマ米大統領、アンゲラ・メルケル独首相にコーヒーと紅茶をふるまい、両首脳を驚かせた。メルケル首相は、「レモンは搾れるのかしら?」と話しかけ、会場は大いに沸いた。

「電光石火で買い取られた」

 この見本市では、米独両国が第四次産業革命に向けた統一規格作りで合意する(本誌六月号)など、今後の世界の製造業を左右する、重大な話し合いが行われていた。
 舞台裏で動いていたのは、米国だけではなかった。中国広東省の家電大手「美的集団」(ミデア)が、ク・・・