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政治

「安倍後」の自民党を待つ多難

巨大政党の寒気がする「人材払底」

2017年2月号

「安倍(晋三)首相のあとは安倍首相だ。全面支持で応援していきたい。(自民党)総裁選の時期について、早めにやるとかずらしてやるなど特別に考えはない。いつやっても安倍首相が圧倒的な支持を得る」
 自民党の二階俊博幹事長は一月十日付の日本経済新聞のインタビュー記事で、来年九月の総裁選では安倍首相の三選を目指す考えを早くも表明した。先走った発言とも言えるが、党内から異論や反発の声は聞こえてこない。
 今年三月の党大会で総裁任期がこれで連続二期六年から三期九年に延長されることはもはや既成事実化しており、そうなると安倍首相が来年三選を果たした場合、任期は二〇二一年九月までとなる。あと四年八カ月近くもあるわけで、第二次内閣発足以降、すでに四年以上政権を担当している安倍首相は、まだ折り返し地点も迎えていない計算になる。
 内閣支持率は五〜六割、自民党の政党支持率は四割前後と高水準を維持しており、党内に有力なライバルも見当たらない。野党第一党である民進党は政党支持率が「消費税率と同じぐらい」(自民党幹部)と嘲笑される体たらくであり、政権交代など夢のまた夢という状況にある。{・・・