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政治

安倍のお側用人「世耕弘成」の暴走

公的年金「私欲活用」を謀った大罪

2017年3月号

 いくら制御不能なトランプ米大統領の歓心を買う思惑だろうと、国民の血と汗の結晶である百四十兆円近くの公的年金を対米インフラ投資へ振り向けるとなれば、普通の日本人なら不安を覚える。だが、そんな米国への巨額マネー注入プランを二月の首相訪米の直前に本気で検討していた人物が内閣の中枢にいる。
 安倍晋三首相の側近を自任する世耕弘成経済産業相—。頭をかすめたのは「潤沢な年金資金をぶち込んでトランプ氏を上機嫌にすれば、首相だって喜んでくれる。しからば自分への覚えも一段とめでたくなる」という浅はかな計算か。向かうところ敵なしの首相の膝元で、「お友達」による的外れな「忖度政治」の奏でる歪みの音が、政権の奥の院から通奏低音のように漏れ出した。

「チビだから背伸び」と毒舌

 事の始まりは二月二日付の日本経済新聞朝刊のトップ記事。「公的年金、米インフラに投資 首脳会談で提案へ」。躍る見出しに驚いたのは首相、そして菅義偉官房長官や麻生太郎副総理兼財務相らも「腰を抜かした」(官邸筋)。ただし世耕氏ひとりを除いて、・・・