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中国政争「消えた王岐山」

「核心独裁」の支柱を失った習近平

2017年7月号

 中国共産党の権力闘争が最大の山場を迎えた。反対派を容赦なく投獄して習近平独裁を支えてきた王岐山・党中央紀律検査委員会書記の動静だ。五月中旬、訪中したラオスの国家主席と北京で会見したのを最後に一カ月以上、中国のメディアから姿が消えた。習近平は盟友、王岐山と袂を分かったのか。
 秋の党大会の行方を左右する八月の「北戴河会議」が近づいている。次の政治局メンバーを内定する重要な時だ。
 習近平国家主席は外国首脳と会談を繰り返して威信を誇示し、江沢民元国家主席ら長老たちも各地を視察して影響力を競っているのに―「王岐山の第六次神隠し」と香港のチャイナ・ウオッチャーが名付けた。
 二〇一四年以来、王岐山が一カ月前後、公式の場から消えたことが数回あった。潜伏期間中に、元党中央軍事委員会副主席の徐才厚、郭伯雄や前党中央政法委員会書記の周永康など大物の政敵を対象に「トラ狩り」をしていた。姿を隠したのは暗殺の危険があったからといわれている。

ストレスで心臓悪化との情報

 では今回も「トラ狩り」だろう・・・