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経済

大手ゼネコン「最近談合事情」

最高益を享受する四社の「結託」

2017年11月号

 一兆六千億円の工事費が投入される首都圏のビッグプロジェクト、東京外かく環状道路(外環道)の建設が進む中で、今年九月、地下トンネルの拡幅工事四件で発注元と業者の契約手続きが中止される異例の事態が注目を集めた。
「赤旗」が今年二月、この四件の工事入札で「大手ゼネコン四社を幹事社とする共同企業体が受注することになっている」と談合の疑いを指摘する記事を掲載した。三月に国会でも問題になったため、発注元の東日本高速道路(NEXCO東日本)と中日本高速道路(NEXCO中日本)が業者への事情聴取など調査を進めた。その結果、「談合等の不正行為の疑義を払拭できず、契約の公正性を確保できないおそれが生じた」と契約手続きの中止を公表した。
 この四社はスーパーゼネコンと呼ばれる鹿島、大成建設、清水建設、大林組。四社の各JV(共同企業体)は既に、二〇一四年三月実施の入札で本線トンネル工事四工区をそれぞれ受注していた。関越道大泉ジャンクション(練馬区)と東名高速東名ジャンクション(世田谷区)の約十六キロを結ぶトンネル二本を大深度地下に建設する難工事で、四社の各JVが一千百三十八億~一千五百十・・・

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