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連載

皇室の風 112

四、五月改元への疑問符
岩井克己

2017年12月号

 現天皇の譲位に伴う改元は、平成三十一年(二〇一九年)四月一日か五月一日が有力だという。
 西暦との換算の便宜からも常識的には元日改元が自然だと思うが、年末年始の宮中の多忙を理由に宮内庁が難色を示し見送られそうだ。同年一月七日の昭和天皇三十年式年祭を現天皇が自ら行いたいらしいとの推測報道も出ている。
 しかし、同庁関係者やOBと話すと「陛下が式年祭をご自分でなさりたいなどとは聞いていない」「元日は多忙だが、年末がそんなに多忙とは思えない。違和感がある」と首を傾げている。
 後世にわたり国民生活にも大きく影響が及ぶのにもかかわらず、検討過程が不透明なまま元日改元が見送られる形勢だ。
 思い当たるのが、「神社新報」が今年九月に出した「時の流れ研究会」の提言である。
 提言は、譲位の儀式を国事行為とする一方、敗戦で廃止された旧皇室令などを踏襲し、宮中三殿の祭祀を中軸に行うよう主張している。とりわけ目立ったのが、譲位を一月七日の昭和天皇三十年式年祭の後にするべきだという主張だ。
「先帝陛下への今上陛下の篤い思し召しにより(式年祭を自ら・・・