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ドイツを再び蝕む「反ユダヤ主義」

ネオナチと中東難民を結ぶ「黒い絆」

2018年2月号

 ドイツ連邦下院にいきなり九十二もの議席を持った極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が、ドイツに押し寄せた難民・移民と密かに利害を共有する――。
 こんな想像しがたい事態が今、ドイツ各地で急速に広まっている。「ネオナチ」と形容される、AfDの主流派は、「反ユダヤ主義」という不気味な絆で中東系移民とつながっているのだ。

学校でのユダヤ人いじめが激増

 現代ドイツの反ユダヤ主義で、最も痛ましい被害者は小中学生である。
 首都ベルリンのあるドイツ人教師は、「子供の間で一番ひどいイジメ言葉が、『ユーデ(ユダ公)』です。相手は必ずしも本当にユダヤ人ではなく、中東系の多い学校の白人や、悪童たちからにらまれた児童生徒が執拗にこの言葉を投げつけられる」と言う。
 ベルリンやフランクフルトなどの都会では、中心部にトルコ系やアラブ系などイスラム教徒の住民が多い。白人が圧倒的な学校より、多人種共存地区の小中学校で、イスラム系が団結して、教師が手を付けられないほど暴走するケースが増えている。悪童グ・・・